バイオ企業に投資をしない理由

先週金曜日に発表された某バイオ企業がMeiji Seikaファルマ株式会社とライセンス契約をしたziprasidoneが第3相試験でプラセボと比較して統計的有意差を見出せず、通期業績予測の見直し、中期経営計画の見直しで本日ストップ安となりました。

真偽はわかりませんが追証などで厳しい状況の方もいるようですし、結果が出た後でマウントを取るようで非常に忍びないのですし、傷口に塩を塗りたくるような行為かもしれませんが、一人にでもこの声が届けばいいなとあえてブログに書こうと思います。

 

 

 

私がバイオ系企業に投資をしない理由

ziprasidoneはIRにも記載されているようにファイザーによって開発されすでに数十年単位での使用経験があるようです。

ただ今回の第3相試験ではプラセボとの間で有意差が見られず失敗となりました。

すでにリスクベネフィットがわかっている薬なので投資家の方々も見込みやすい状態だったのかもしれませんが、蓋を開けてみたら…。という形です。

しかし、私がバイオ系企業に投資しない理由の1つがここにあります。

 

例えば、インフルエンザの薬としても有名なイナビル。

日本ではziprasidoneが今回通過できなかった第3相試験を無事通過し承認されており、使ったことがある方も多いはずです。

しかし、このイナビルはアメリカでは第2相試験で有意差が見られず承認されていません。

このようにいくら他の国で承認されていようと、第3相試験を通過し承認されるかどうかは未知数だというのが理由の1つです。

 

バイオ系企業は夢のような薬を作るから応援したい

しかし、一方でバイオ系企業が作ろうとしている薬は夢のような薬です。

例えば少し前にも話題になったサンバイオ。

脳に損傷を負った人の運動障害の症状が緩和するかもしれないという薬は誰もが待ち望んでいる薬ではないでしょうか。

そういう薬を是非とも作って欲しい!応援したい!という気持ちでバイオ企業に投資をすることは私は非常に好意的です。

ある種まさに投資家!とも感じます。

ただ、そういう気持ちで投資をするのであれば信用取引、つまり借金をしてその企業の株を購入することはしないのではないかとも思います。

何かしらで得た自分のお金を応援したい企業に投資し、その企業の一部を保有するのですから信用取引でその企業の株式を保有するということには違和感を覚えます。(私の個人的感想ですが…)

 

現物のみであれば退場の可能性はグンと下がる

なのでバイオ系企業にそういった気持ちで投資をするとなると多くの場合は現物のみでの投資になる。

そうなると必然的に追証の可能性はなくなり、最も最悪なケースであるその企業の倒産となっても投資していたお金がゼロになるだけで借金などを背負うこともありません。

もちろん自分の資産のほとんどをその企業に投資していたらかなりの精神的ストレスにはなると思いますが、借金を背負うよりはいいでしょう。

投資で資産形成しようと思っている場合によく耳にするのは市場から退場しないことです。

バイオ企業に投資をするのは個々人の自由ですが、最悪でも退場しないように準備をすることは必要不可欠なのではないかと思います。

 

バイオ系企業に信用取引するのはリスクの塊

いつもバイオ系で大騒ぎになる時、信用取引をしていたために追証でヤバイという構図を結構目にします。

信用取引でこうしたバイオ系企業の取引を行うことは私にとってもはやデメリットばかりが目につきます。

仮に第3相試験を通過し承認されたとしてもその前に大方株価に織り込まれているのでないかと思いますし、その臨床試験の結果は予測不可能だからです。

もちろん、バイオ系企業は過去の窪田製薬ホールディングス(旧アキュセラ)、サンバイオなどを見ても株価上昇にも夢があるかもしれません。

テンバガーも夢ではありませんからね。

しかし、その裏にあるリスクに目を向けることなく信用取引することは個人的にはデメリットばかりに思えます。

 

その分野に精通しているだけでは上手くいかない

自分が得意な分野に投資するというのは様々な場面で聞く言葉です。

もちろんその方が事情を知っていることからも理解が進みやすいところもあるでしょう。

私が得意というか人より少しだけ詳しい分野となると薬業界になるのですが薬業界、特に新薬開発の分野は投資をし自分の資産を増やしていくにはあまりにも不確定要素が大きく、仮に新薬開発に成功した時の見返りが小さいように思います。

いくら薬に詳しくてもその薬が治験で有意差が認められるかどうかは全くもってわからないからです。

ちなみにZiprasidoneは2014年のとあるレビューを見ると妥当性は低いもののすでに承認されているオランザピンやリスペリドンよりも効果が小さく、体重増加などの副作用リスクは小さいとされています。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4164848/

 

過度なリスクを背負った信用取引はしない

個人の感想なので無視してもらっても全然いいのですが、現物で持っていればいつの日かということはあるかもしれません。

その企業が作る物(薬)を応援したいというのも素晴らしいと思います。

そして第3相試験を通過し、承認される薬は今の所ほんの一握りで、承認されるかどうかは全く予想がつきません。

 

また、某バイオ企業が発表した中期経営計画は2019年は今回の第3相試験失敗を反映し赤字になる予想ですが2020年以降は黒字のままです。

 

バイオ系企業に信用取引で投資をするのは一つの薬の臨床試験の結果1つで自分の人生が決まるような事態になりかねません。

今後こうした事態が少しでも減るといいなと陰ながら祈っています。

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