大手調剤薬局グループの儲けの構造は?日本調剤編

儲けすぎだとしか言われない調剤薬局ですが、儲けすぎだとするネットニュースなどの中には決算などを詳細に見た記事は驚くほど少なく某大手調剤薬局チェーンの社長の給与がどうのとか売上がどうのとかという記事ばかりです。

一方で、その決算の中身についてを検索してみると個人投資家が分析したブログが多く見受けられます。

多くの大手調剤薬局チェーンは上場した株式会社で、利益を上げることは当然で、一部からやや感情的な批判にさらされているというのが個人的感想です。

今回は大手調剤薬局チェーンの決算説明書を見比べてみて調剤薬局の利益の構造を少し見ていきたいと思いますが長くなりそうなので今回は日本調剤のみまとめてみました。

各社のそれぞれのまとめから比較編など数回に分けて考えていきたいと思います。

※私は調剤薬局チェーンの株式は保有しておらず、今後も購入するつもりはありません。また、超素人の分析ですので読み流してください。




儲けすぎだと真っ先に叩かれる日本調剤

まず、薬局が儲けすぎだと叩かれる時真っ先に矢面に立たされるのが日本調剤です。

そういう私もつい最近まで日本調剤が大嫌いでした。

この日本調剤の社長さんの数々の発言を受けて調剤報酬が厳しくなったり、給与もらいすぎだと叩かれていろいろ厳しくなったりと、本気で「これ、わざとそういう発言して中小の薬局の経営苦しくして安く買収しようとしてるんじゃないの?」と邪推していました。(笑)

勤務している社員の待遇は置いておいて日本調剤が行っていることはかなり先進的で将来を見据えた経営をしているように見えてきます。

売上高と営業利益

まず、過去6年間の売上高と営業利益です。

共に順調すぎると言えるのではないでしょうか。

しかし、営業利益率は2%〜4%後半と決していいとは言えませんが、2%台だった頃に営業利益率4%を目標に企業努力したようですね。

その後は4%前後で推移しています。

セグメント別の営業利益

日本調剤は調剤薬局のみで会社が運営されているわけではありません。

子会社として医薬品製造販売事業を担う日本ジェネリックと長生堂、派遣・紹介事業を担うメディカルリソースがあり、各種膨大なデータを扱う子会社として日本医薬総合研究所の4つの子会社を持っています。

セグメント別の営業利益を見てみると、調剤薬局部門が突出していますが、派遣・紹介事業が安定して成長しているのがわかります。

製造販売部門はこの2年間の成長は見られません。

調剤薬局部門

調剤薬局部門に目を向けると、着実な成長の裏付けとなる部分がよく見えてきます。

平成21年度に4店舗だった面対応の薬局(病院やクリニックの隣にある薬局ではなく街の中にあり様々な病院からの処方箋を応需する薬局)は医療モール型の薬局とともに栄養士の配置や血圧などの測定、セルフメディケーションの推進などを担うハイブリッド型の薬局として今後100〜150店舗まで拡大するとしています。

一方でいわゆる病院のそばにある門前薬局は、特に大きな病院の前の薬局に関しては専門薬剤師の配置など専門分野に特化した薬剤師を配置し高度な医療への対応が可能になるような経営方針を打ち出しています。

正直、国が打ち出している薬局像に近いというよりも、日本調剤が打ち出す薬局像を国が真似るという形にまで徹底されているように錯覚するほど将来をにらんだ戦略に見えます。

これに対して報酬をつけるのは国になりますが、当たり前かもしれませんが同じ薬局の薬剤師としてほとんど非の打ち所がないほどのビジョンです。

医薬品製造販売部門

医薬品製造販売部門はここ2年あまり成長していません。

今期もつくば第2工場の稼働のため利益が出ませんが来期からの利益への寄与を目指しています。

販売品目数も倍まで伸びる予定ですが、反面研究開発費も右肩上がりです。

これは、ジェネリック医薬品を製造販売している他社との比較が必要になるので、ここではあまり深く触れないようにしたいと思います。

人材派遣・紹介部門

個人的に注目しているのがこの人材派遣・紹介部門です。

調剤薬局部門の営業利益率は5〜6%、医薬品製造販売部門は2〜8%という中で一度も10%を割っていないのが人材派遣・紹介部門です。

大手の調剤薬局チェーンが非常に注目されてはいますが、依然として中小規模の調剤薬局が多いのが現状です。

そして、薬剤師需要ですが私が学生時代(10年近く前)は薬剤師の数は余り出すので、転職なども難しくなるという話で持ちきりでした。

確かに、厚生労働省の資料を見ても薬剤師の数は右肩上がりに増えています。

しかし、薬剤師が余っている地域はごく一部で、まだまだ薬剤師の数が不足しているところは非常に多いのが実際に感じている部分です。

また、薬剤師の能力も非常に高いものが求められているのも実感しますので(私は能力ないのでやばい…。泣)他の職種と同様に能力の高い薬剤師の需要は今後も続くと見ています。

また、医師や歯科医師との決定的な違いは男女比です。(私立医学部の現役男子学生が優遇されていたというニュースは無視します。)

医師、歯科医師は男性の比率が約7割なのに対して薬剤師は逆に女性の比率が約7割です。

つまり、育児休暇や育児休暇が終わった後の労働時間の変更など人員の確保が苦しくなる局面が多くなりがちです。

育児休暇は今後男性も取得する世の中にどんどん変わっていっていますが、出産は女性にしかできず、出産後すぐに働きに出るわけにもいきません。

なので、欠員が出る可能性が非常に高いわけですね。

そういった人材のニーズは非常に高く、M&Aという手もあるので大手調剤グループとしては非常にシナジー効果が高いものになります。

今後の展開

実は日本調剤の薬局店舗数は大手調剤薬局にしてはそこまで多い方ではありません。

店舗数に関してはアインホールディングスの約半分ほどです。(アインホールディングスの決算説明書には門前薬局と面調剤の棲み分けた数字は見当たりませんでした。)

しかしながら平成27年3月期の資料になりますが、日本調剤は面対応の薬局で非常に高い売上成長率が見られています。

出典:日本調剤平成27年3月期決算説明資料

現在もこの成長率が継続しているかと言われると鈍化はしているでしょうが、日本調剤の調剤薬局事業はうまく面対応型にシフトしているのではないかと予想できます。

そう考えると現在の出店数がアインホールディングスに比べて約半分ということも合わせて考え、あながち2031年の売上高9000億円というのは不可能な数字ではないのかなとぼんやり考えています。(まあ…。国の財源次第の面も否めないのですが…。)

個人的に注目しているのは人材派遣・紹介事業ですが、日本調剤は今後薬剤師のみならず、医師や看護師など他の職種にも拡大していくようです。

すでのその為の設備投資費用も今期決算に見込まれており今後の展開に注目が集まります。

また、今後の医薬品製造販売事業にも注目ですが、これは他のジェネリックメーカーと比較してみたいですね。

日医工、沢井製薬、東和薬品など人気銘柄も多いです。

出典:日本調剤2018年3月期決算説明書

2030年の長期予測の中でも派遣・紹介事業の占める割合は大きくありませんが、営業利益率の高い医薬品製造販売事業、派遣・紹介事業がどう業績に反映されていくでしょうか?

そして、2031年への計画は達成されるのでしょうか?

個人的には大手調剤薬局グループの中で最も応援している企業です。(自分が働きたいかは別です。笑)

投資するか?と言われると、個人的には好みのタイプの企業ではありません。(汗)

有利子負債が800億円ほどですが、現金等は200億円ほどで、配当性向も10%台と高くはありません。でも自社株買いしてますね。

M&Aが多いでしょうから致し方ない部分もあるかと思います。

今後はアインホールディングスなど調剤薬局グループ、ジェネリックメーカーの決算資料も読んで練習していこうと思います。




いつも読んでいただきありがとうございます。

ポチッとしていただけると嬉しいです。

にほんブログ村 投資ブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 投資ブログ 資産運用(投資)へ
にほんブログ村
にほんブログ村 投資ブログ お金(投資)へ
にほんブログ村

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする