製薬会社への投資は及び腰です

私は製薬会社への投資は及び腰です。
って私のような投資経験の浅い素人がこんな事言っても何も響きませんが…。笑
思ったことを書くブログなのでそのまま続けさせてください。




今回は塩野義製薬のプレリリースを元にその理由について考えていきたいと思います。

塩野義製薬のプレリリースの概要

まず今回のプレリリースの内容は、塩野義製薬の新薬である「バロキサビルの第3相試験の結果がNew England Journal of Medicineに載ったよ〜。」というものです。
ん?New England Journal of Medicineってなにってなりますよね。
New England Journal of Medicineは世界的に有名な医学論文誌です。
このNew England Journal of Medicineとlancet、JAMA、BMJで世界4大医学雑誌と言われるほど有名な医学論文誌です。
(有名な雑誌に掲載されたから効果が優れているわけではないけど…。)
これは塩野義製薬の株式を持っている人なら嬉しいですよね。
だって全世界の医師がこの論文を読み、その薬の存在と効果を知るんですから。
売り上げゴイスー、株価ゴイスー!となりそうです。

抗インフルエンザ薬の使用状況

まずは押さえておきたい抗インフルエンザ薬の使用状況です。
日本における抗インフルエンザ薬の使用状況は、ちょっと古いデータですが2013年8月から2014年3月の使用状況は、タミフルが285万人、リレンザが146万人、ラピアクタが24万人、イナビルが331万人です。
合計すると786万人が何かしらの抗インフルエンザ薬を使用したとあります。
インフルエンザの流行シーズンを考えると8月から3月までのデータですが1年間でこれくらいの人が使ったとみて問題ないでしょう
(5月くらいまで流行が続くときもあるけど。)
一方、アメリカの方はどうかというと私の検索の仕方が悪いんでしょうが、抗インフルエンザ薬の使用状況はヒットしません…。(多分FDAとかにアクセスすればデータあるんだろうけど英検3級には壁が高い…。)
しかし、今は良い時代ですね。
ブログでアメリカの医療費がどれくらいかわかります。(もちろん信憑性はわからないけど。)
色々読んでいくと数年前の記事が多いですが、1回のタミフルによる治療でかかる費用は少なくとも1万円以上はしそうです。(120ドルとか200ドルとかのブログが多かった。)
日本とは大違いですね。
また、アメリカではタミフルは積極的な使用は推奨していません。
というか、日本では結構見受けられますが、インフルエンザ検査陽性→抗インフルエンザ処方とはなっていません。
というのもアメリカのインフルエンザの対策はワクチンが主体。
タミフルなどはその補助的な役割で、基礎疾患あるなどのハイリスクな人にしか使用が推奨されてないんですね。
なので患者側が希望すれば処方されるのでしょうけど、日本のようにほぼ全員に抗インフルエンザ薬の処方とはなっていないと思います。
こういった背景から世界の75%のタミフルは日本で使われてるとかいう噂が立つのですがそれは置いておいて…。

バロキサビルが売上高に与える影響

使用状況がわかったので仮に、塩野義製薬さんの新しい薬が内服薬の抗インフルエンザ薬のシェアを取ったと仮定してその売り上げを計算してみます。(ラピアクタは点滴製剤で販売も塩野義製薬なので除外します。)
アメリカの使用状況は分からないので今回は日本だけで計算します
まず、バロキサビルは年齢や体重で使用する量が異なり、薬価も異なりますが最も多いであろう20mgを1回2錠の場合で考えてみます。
20mg1錠の薬価は2394.5円です。(ちなみにタミフルは1カプセル272円なので1回の治療で2,720円。)
なので1人4789円として考えると365億円くらいの売り上げです。
一方、塩野義製薬の売り上げはどれくらいかというと、2018年3月期で3400億円くらいです。
つまりラピアクタ以外のシェアを全て奪ってやっと10%ちょっとの売り上げアップです。
1日1回の服用で済む抗インフルエンザ薬ですから全部とは言わないまでもある程度の売り上げの成長はある程度見込めるかもしれません。
しかし、問題は日本のシェアを奪えるかどうかと海外です。
今回New England Journal of Medicine誌に掲載された論文とタミフルやリレンザの研究結果からは難しいと言わざるを得ません。

バロキサビルの売上は上がるのか?

塩野義製薬はRoche社とこのバロキサビルの開発及び販売で提携しており、日本と台湾を除く全世界で開発しています。
現在はおそらく承認申請などのマイルストンが入っている段階で今後アメリカなどで販売となった場合には販売額に応じたロイヤリティが塩野義製薬に入る形になるそうです。
それを踏まえて考えたいと思います。
まず、タミフルやリレンザに関してはインフルエンザ症状の短縮効果は認められているものの、合併症や入院に関して効果的とされる研究報告はあまりなく、効果は限定的だと考えられています。
一方でインフルエンザワクチンは100%予防できるわけではないものの、合併症や入院リスクなどの抑制効果は認められています。
また、バロキサビルに関して今回掲載された論文結果からはインフルエンザ症状の短縮効果はプラセボよりはいいけど、タミフルと同程度という事しか分かっていません。
また、今回New England Journal of Medicine誌に掲載されたのとは別の臨床試験も行われており、ハイリスク患者に対するインフルエンザ症状の短縮効果もありそうです。
また合併症の予防効果に対しても副次評価項目ではあるもののプラセボに対して有意に低下したとあります。
しかし、あくまでも副次評価項目で仮説の域を出ませんし、今後大規模な合併症予防効果を主要評価項目にした臨床試験の結果を見るまでは、この効果に対してはっきりとはわかりません。
さらに、仮に合併症などの予防効果が確認されたとして、その予防効果がインフルエンザワクチンと同程度であれば、費用が安いワクチンが支持される可能性が高いと私は見ています。
アメリカのインフルエンザワクチンは薬局などでも接種することができますし(私も以前アメリカに行った時に薬局の薬剤師さんに打ってもらった。)費用も15〜55ドルとタミフルよりも安いです。
一方で、バロキサビルを処方してもらうとなると、病院での診察を受けなければならないと思いますが、日本と違って予約制が多く、診察の待ち時間もかなり多いようです。
以上のことから個人的にはバロキサビルは合併症などの予防効果が示せたとしても価格がインフルエンザワクチンと同じくらいもしくはワクチン以下にするか、インフルエンザワクチンよりも優れた効果を示さなければ思ったような売上は見込めないのではないかと思っています。
さらに日本ではタミフルのジェネリックが発売されます。
アメリカでも発売されるでしょう。(多分)
タミフルにとって代わるという可能性は十分考えられなくもないですが、インフルエンザという季節性の疾患であること、健常者であれば薬を使用しなくても治る可能性が高い疾患であることを考えると使用される機会は多くはないのではないかとも思います。

製薬会社に投資するのが及び腰な理由

もちろん、インフルエンザ症状の短縮効果は認められていますし、今後重症化の予防などの効果も立証されるかもしれません。
また、以前のようなパンデミックも大いに考えられるのでバロキサビルという薬自体の活躍の場は多いかもしれません。
そうなれば塩野義製薬の業績にも貢献してくると思いますが、それを判断するにはまだまだ臨床を行い、その結果が出ないとわからない部分です。
もちろん、塩野義製薬も他にも多くの薬を開発しており、バロキサビルだけが売上に貢献しているわけではなくほんの一部分です。
しかし、世界中で売上を伸ばす薬になるには多くの壁を乗り越えなければならず、苦難の連続だということが少しでもわかっていただけたと思います。
そういう苦難を乗り越えた先にあるので、不確定要素が多すぎて、個人的には製薬会社への投資は控えています。(唯一保有しているアボットラボラトリーズは新薬開発を分社化したので投資しています。)
ただ、薬局の薬剤師としてはバロキサビルに期待もしています。
毎シーズンリレンザやイナビルを声を嗄らしながら薬の使い方の説明をしているからです。
患者さんもインフルエンザで高熱でしんどい中説明を聞いてもらうのも忍びないですし、1回でしかも飲むだけという使い方の薬は非常に歓迎できるところです。
というわけで、製薬会社への投資について考えてみましたがあくまでも個人的な意見です。
国内外に投資対象として魅力的な企業は沢山ありますし、人の投資行動にとやかくいうつもりはありません。
また、今後も素晴らしい薬の開発を期待していますが、投資するとしたらクリックする手が震えすぎてクリックできなそうです…。




いつも読んでいただきありがとうございます。

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