大手調剤薬局グループの儲けの構造は?アインホールディングス編

前回の日本調剤に続き、今回はアインホールディングスです。

実は、薬局の出店数、売上高など日本調剤よりもアインホールディングスの方が上です。

決算説明資料を見てみると日本調剤との違いが鮮明に見えてきたので、今回も上辺だけですが見ていきたいと思います。




M&Aが活発なアインホールディングス

近年、調剤薬局界隈のM&Aは非常に活発になっています。

私が住んでいる新潟県でもその動きはここ2〜3年で特に活発になってきており、かなりの数の薬局が買収されています。

アインホールディングスも中小の薬局グループのM&Aが非常に活発です。

私が薬剤師として働き始めてから10年経ったかどうかというくらいですが、すでに新潟県だけでも大型の買収を2回しています。

売上高と営業利益

過去6年間の売上高と営業利益です。

日本調剤と同様に過去6年間は順調に伸びています。

しかし、気になるところは2013年から2015年と2017年で計画未達だったことです。

2016年と2018年は上振れとなっていますが、計画未達が非常に目立ったのが気になります。

一方の日本調剤は計画未達は非常に少ない印象があります。

日本調剤、アインホールディングス共に2017年は下方修正していますが、日本調剤は2013年にも下方修正していますね。

しかし、営業利益率は日本調剤よりも高く推移しており、2018年は7.3%と日本調剤よりも2%ほど高くなっています。

セグメント別営業利益

アインホールディングスはアインズ&トルペという化粧品や雑貨を中心に扱う店舗を展開しています。

2015年に化粧品、スキンケア商品を扱うアユーララボラトリーズを子会社化しており、日本調剤との違いはこの化粧品関係に参入しているところとも言えそうです。

リテール事業も2018年にやっと営業利益が黒字化し、今後の成長に注目が集まりそうです。

ファーマシー部門

アインホールディングスは日本調剤の倍ほどの店舗数を誇ります。

その数は全国に1000店舗を超えています。

決算説明資料ではあまり触れられていませんが、おそらくいわゆる門前型の薬局がその多くを占める形になっていると思います。

象徴的なのが2013年の決算説明資料で、面対応薬局の1店舗あたりの営業利益が門前型280万円ほどに対して480万円の赤字という結果だったことから、今後も門前型の薬局運営に注力していくとしています。

今後アインホールディングスがどういった戦略で店舗展開していくのかわかりませんが、日本調剤との店舗展開とは2013年の会社の決断から考えると大きく異なることがわかります。

リテール事業とその他事業

セグメント別の営業利益の部分でも見ましたが、2018年に黒字化しさらに会社計画も上振れました。

化粧品、コスメの製造を担うアユーララボラトリーズも子会社化しており今後の展開が期待されます。

また、2008年にセブン&アイホールディングスと業務・資本提携。

翌2009年には共同出資により株式会社セブンヘルスケアを設立しています。

さらに人材派遣・紹介事業のメディウェルと医療開発、ジェネリック医薬品卸業のホールセールスターズを子会社化しておりシナジー効果が高い業種にすでに参入しています。

これらの子会社の状態を知りたかったのですが、決算説明資料には詳しく記載されていません。また、それぞれの子会社も開示はしておらず詳細不明…。調べれば出てくるんでしょうけど今回はここには触れないでおきます。

今後の展開

ファーマシー事業に関して、日本調剤よりも営業利益率が高く(2018年は9.2%)、利便性を考慮すれば病院のすぐそばにある門前型の薬局は非常にありがたいと考える方も多いと思いますが、国が掲げる「門前からかかりつけ、そして地域へ」という理念からはかけ離れていると言わざるを得ません。

仮に今後アインホールディングスが面対応型へのシフトを強めるとした場合は、2013年の決算説明資料も非常に気になるところです。

日本調剤は面対応薬局で非常に高い売上成長率を見せたものの、アインホールディングスは営業利益が赤字になり門前型に集約した過去があります。

共に、会社の利益の主体である調剤薬局事業はあと1年半ほど現行の調剤報酬の体制が続くので大きな影響はありませんが、2年ごとにある調剤報酬改定の影響度がどの程度大きく出るかと言われるとアインホールディングスの方が大きな影響が出そうだと思ってしまいます。

理由としては、日本調剤が面対応・医療モール型は健康サポート機能に特化、門前型は高度薬学管理機能に特化とかなり明確に薬局の機能分化が進んでいるからです。

一方のアインホールディングスの決算説明資料からはこの機能分化がイマイチ見えてきません。

厚労省の資料によると2025年、2035年に向けたプランも示されており、かかりつけ薬剤師や薬剤師の人材育成といった意味ではどちらが有利などということはあまりありませんが、簡単には動かせない不動産関係などのインフラについては現状日本調剤が一歩リードという見方を個人的にはしています。

出典:厚生労働省 患者のための薬局ビジョン

この辺りの機能に今後どういった形で報酬がつくのかわかりませんが、一薬局薬剤師として動向を注視していきたいと思います。




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